公開日:2026/11/05 コラム
口論から傷害事件に発展|正当防衛の主張と示談により不起訴となった事例
【傷害罪】
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(傷害) |
ご相談の経緯|路上での口論から傷害事件に発展

路上で相手方と口論になり、もみ合いの末に相手方にケガを負わせたとして、傷害の疑いで警察から取調べを受けていた方からご相談いただきました。
ご本人は、相手方から先に手を出されたため、自分の身を守ろうとして反撃したと認識していました。
しかし、相手方がケガを負っている以上、自分の行為が傷害罪に当たるのではないか、今後どのような刑事処分を受けるのかという不安を抱えていました。
そこで、当事務所では、事件当時の状況を詳しく確認し、正当防衛が成立する可能性を検討するとともに、相手方との示談交渉を進めることになりました。
弁護活動の内容|正当防衛の主張と示談交渉を並行して実施
事件当時の状況を整理し、正当防衛の成立可能性を検討
まず、ご本人から事件に至る経緯を詳しく聴き取り、口論が始まった状況や、相手方が手を出した際の行動、ご本人が反撃した経緯などを整理しました。
特に重要となったのは、ご本人の行為が相手方からの攻撃に対して身を守るために行われたものだったのかという点です。
正当防衛が成立するためには、相手方から急迫不正の侵害があり、それに対して自己または他人の権利を守るため、やむを得ず行った行為であることが必要です(刑法36条1項)。
単に「相手が先に手を出した」という事情だけで、正当防衛が認められるわけではありません。
そこで、現場の状況や目撃者の有無、双方の負傷の程度などを確認し、ご本人の行為が防御のための反撃にとどまるものであった可能性について、客観的な資料を踏まえて検討しました。
また、仮に正当防衛の要件を満たさない場合でも、過剰防衛として刑の減軽または免除が問題となる可能性があるため、その点についても法的な検討を行いました。
相手方との示談交渉を並行して実施
正当防衛に関する主張を進める一方で、相手方との示談交渉にも取り組みました。
傷害事件では、事件当時の行為について法的な主張を行うことと、相手方との紛争を解決することは、必ずしも矛盾するものではありません。
本件でも、ご本人の認識や事件当時の状況を踏まえながら、相手方との話し合いを進めました。
その結果、相手方との間で示談が成立しました。
当事務所では、正当防衛・過剰防衛に関する法的な主張と示談の成立を踏まえ、刑事処分について適切な判断がなされるよう対応しました。
結果|正当防衛に関する主張と示談の成立により不起訴処分
最終的に、本件は不起訴処分となりました。
事件当時の状況を整理したうえで、正当防衛・過剰防衛に関する主張を行い、相手方との示談も成立したことが、事件の解決につながりました。
不起訴処分となったため、今回の事件について刑事裁判が開かれることはなく、刑罰を科されることもありませんでした。
なお、不起訴処分の具体的な理由が正当防衛の成立によるものか、示談などを考慮した起訴猶予によるものかについては、本件の資料だけでは特定できません。
弁護士からのひとこと|先に手を出された場合でも正当防衛が成立するとは限らない

口論やもみ合いから発展した傷害事件では、「相手が先に手を出した」「自分は身を守ろうとしただけ」という主張が問題になることがあります。
しかし、相手方から先に暴行を受けていたとしても、その後の反撃がすべて正当防衛として認められるわけではありません。
正当防衛の成否は、相手方の攻撃の内容や危険性、反撃に至った経緯、反撃の程度など、事件当時の具体的な状況によって判断されます。
大切なのは、単に自分の言い分を伝えることではなく、その言い分を裏づける事情を客観的に整理することです。
また、傷害事件では、正当防衛に関する主張と並行して示談交渉を進めることが、紛争の早期解決につながる場合もあります。
口論やもみ合いによって傷害事件の当事者となった場合には、記憶が鮮明なうちに事実関係を整理し、早い段階で適切な対応を検討することが重要です。
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【記事監修】

弁護士 須賀翔紀
須賀法律事務所 代表弁護士。刑事事件を中心に、幅広い法律分野の相談・依頼に対応。相談者の不安や悩みに丁寧に耳を傾け、状況に応じた解決策を提案。専門的な内容も分かりやすく説明し、迅速かつ誠実な対応を重視。オンラインでの相談・依頼にも対応し、全国からの相談を受け付けている。

