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2025/03/14 お知らせ

「SNSで脅迫された!『殺すぞ』『会社にばらす』と言われたときの対応とは?

近年、SNS上での脅迫事件が増加しており、特に芸能人やスポーツ選手に対する脅迫的な投稿が問題視されています。「殺すぞ」といった投稿をした人物が逮捕されるニュースも報じられています。ネット上の発言・匿名だからといって安全とは限らず、実際に刑事事件へと発展するケースがあります。

SNS上で「お前を殺す」「会社にばらす」といった具体的な脅迫を受けた場合、実際に行動に移されるのではないかと心配になるでしょう。たとえネット上のやり取りであっても、これらの発言は法律に違反する可能性があり、適切に対応しなければなりません。

本記事では、SNSで脅迫された場合に取るべき対策を解説します。証拠の確保、警察への相談、SNS運営への報告、弁護士の活用、そして身の安全を守るための具体的な方法を紹介します。

【「殺すぞ」「会社にばらす」は犯罪になる?】

SNSで「殺すぞ」といった発言をされたとき、それは単なる悪口ではなく、法律で罰せられる犯罪にあたる可能性があります。インターネット上の発言であっても、相手を傷つけたり、不安にさせたりする言葉には責任が伴います。ここでは、どのような発言が犯罪になるのか、具体的に解説します。

「殺すぞ」「会社にばらす」は脅迫罪にあたる

「殺すぞ」といった言葉は、相手を怖がらせることを目的とした発言です。このような言葉は、刑法222条の脅迫罪に該当する可能性があります。

脅迫罪とは?
脅迫罪とは、本人または親族の生命や身体、自由、名誉、財産に危害を加えると伝えた場合に成立します。一般の人が恐怖に感じるものであれば成立し、実際に被害者本人が恐怖に感じなくても成立します。

他には「ボコボコにしてやる」「息子を監禁する」「お前の家を燃やす」などが脅迫罪にあたります。

対象者は本人と親族のみなので、「恋人を殺す」「友人の住所を晒す」は脅迫罪にはなりません。

脅迫罪の刑罰2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

実際に、SNS上で「ぶっ殺してやる」と投稿し、逮捕されたケースもあります。投稿した本人は「冗談のつもりだった」と言っても、脅迫罪は成立します。

放置するとどうなる?エスカレートするリスク

脅迫を放置すると、相手が「脅せば何でもできる」と思い込み、嫌がらせがエスカレートすることがあります。たとえば、最初はSNS上のメッセージだけだったものが、次第に自宅への訪問や無言電話、さらにリアルなストーカー行為へと発展するケースもあります。

過去には、SNS上での脅迫がきっかけで、実際に加害者が被害者のもとへ押しかけ、暴行事件に発展したケースもあります。このような事態を防ぐためにも、脅迫を受けたら早めに対策を講じることが大切です。

脅迫を受けたらすぐにすべきこと

SNSで「殺すぞ」「住所を晒す」といった脅迫を受けたとき、どう対応すればよいのか分からず、不安に感じるかもしれません。しかし、適切に対処すれば被害を防ぐことができます。ここでは、すぐにできる5つの対策を紹介します。

 

1. 証拠を確保する📸

脅迫の証拠をしっかり残すことが最も重要です。証拠がないと、警察や弁護士に相談しても対応が難しくなることがあります。

スクリーンショットを撮る
・相手の発言が分かる画面
・URL・アカウント名・ID・投稿日時

相手がアカウントを削除したり投稿を編集する可能性もあるためこちらでしっかりと証拠を残すことで、警察や弁護士が具体的な対策をとりやすくなります。

2. 警察に相談する🚓

「ネットのことだから…」と放置せず、すぐに警察に相談しましょう。以下の方法で相談できます。

最寄りの警察署へ行く
・証拠を持参して被害を伝える

「サイバー犯罪相談窓口」を利用する
・都道府県警察の公式サイトに相談窓口がある

110番通報する(緊急時のみ)
・実際に身の危険を感じる場合はすぐに通報する

警察は「被害届」や「告訴状」を受理することで捜査を進めることができます。

被害届と告訴状のちがいについてはこちらを参照ください。

3. SNS運営に報告する📢

SNSの規約では、脅迫や嫌がらせは禁止されています。違反報告をすることで、相手のアカウントが凍結される可能性があります。悪質な場合は運営側に適切な対応をとってもらいましょう。

4. 弁護士に相談する⚖️

警察が被害届を受理してくれない場合や警察からの対応が不十分な場合、弁護士に相談することで、適切な法的手段をとることができます。

刑事事件として対処する場合
・弁護士が警察への被害届や告訴状の作成をサポートする

民事事件として対処する場合
・相手に慰謝料請求や損害賠償を求めることができる

5. 身の安全を守る🏠

脅迫がエスカレートすると、リアルなトラブルに発展する可能性があります。自分の身を守るために、次の対策をしましょう。

住所バレを防ぐ
・SNSのプロフィールに個人情報を書かない
・不用意に自宅周辺の写真を投稿しない

ストーカー対策をする
・家の鍵を変える、防犯カメラを設置する
・不審な人物がいたら警察に通報する

身の危険を感じる場合は、迷わず警察や弁護士に相談しましょう。

【まとめ】

SNS上での脅迫は、たとえ匿名であっても重大な犯罪です。「殺すぞ」といった発言は脅迫罪に、「住所を晒す」といった行為は名誉毀損罪や威力業務妨害罪に該当する可能性があります。ネットだからといって軽く考えるのではなく、責任をもって発言することが重要です。

もしSNSで脅迫を受けた場合は、まず証拠を確保し、警察に相談しましょう。また、SNS運営に報告することで加害者のアカウントを凍結できる可能性があります。さらに、状況によっては弁護士に相談し、慰謝料請求や刑事告訴を検討することも必要です。

被害を防ぐためには、住所バレ対策ストーカー対策を行い、個人情報が漏れないように注意することが大切です。特に、プロフィール情報や投稿写真には十分に気をつけましょう。

SNSは便利なツールですが、使い方を誤ると危険も伴います。万が一、脅迫を受けたときは適切な対応を取り、速やかに専門家に相談することで、安全を確保しましょう。

 

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