コラム

2023/11/06 コラム

法廷内音声を配信・録音したらどうなる?犯罪になってしまうのか?

 先日、刑事裁判の法廷内の音声がSNSに同時配信されて公判が一時中断した事件がありました。また、7月には、弁護士が無断で審理を録音して、弁護士会から懲戒請求された事件もありました。

 

〇法廷内の配信、録音をしたら

法定における写真の撮影録音裁判長の許可を得なければなりません。

刑事訴訟法、民事訴訟法には以下のように規定されています。

刑事訴訟法第215
公判廷における写真の撮影、録音又は放送は、裁判所の許可を得なければ、これをすることができない。但し、特別のおきてのある場合はこの限りではない。

 

民事訴訟法第77

法廷における写真の撮影、速記、録音又は放送は、裁判長の許可を得なければすることができない。 

テレビによく映る裁判官が並んでいる法廷内の映像は、入廷前に撮影されたものであり、法廷内のビデオカメラ取材は、1991年に制定された『法廷内カメラ取材の標準的な運用基準』に基づき、細かいタイミングが決められて行われています。

本人のみが出頭して行った場合、事実上制裁はありませんが、弁護士が出頭しているときに行ってしまうと、弁護士には懲戒処分が下される可能性があります。

また、法廷内でメモは自由にとることが許されています。

 

〇法廷内での撮影・録音はなぜ禁止?

裁判の公開は憲法で保障されており、原則誰でも審理を傍聴することができます。

裁判をネットに公開すれば多くの人に裁判の内容を知らせることができますが、インターネット上でみだりに不特定多数の目にさらされるのは、被告人や証人の証言が歪んでしまう可能性があり、またプライバシーが損なわれるためです。

しかし、多くの人がスマートフォンを持っている現代では、簡単に配信や録音が行えてしまうため、何らかの対策を講じる必要があるでしょう。

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