2023/07/26 コラム
改正された「不同意性交罪」の変更点とは？今までと何が変わったのか？
7月13日施行の改正刑法について
性犯罪の規定を見直す改正刑法が6月23日に交付され7月13日の施行により、強制性交等罪が「不同意性交等罪」に改められました。
〇不同意性交等罪・不同意わいせつ罪とは
被害者が、同意しない意思を形成したり、表明したり、全うすることが難しい状態で、性交等やわいせつな行為をすることです。
性交等とは性交や口腔性交、肛門性交をいい、わいせつ行為とは胸や陰部を触ったり無理やりキスをする行為などがあたります。
法定刑は「5年以上の有期拘禁刑」で、刑の上限の変更はありません。
〇改正により変更された点
不同意性交等罪は、旧法に比べて成立要件が広くなります。
旧法の強制性交等罪の成立には、性交等の際に「暴行・脅迫」を必要とします。ですが、改正によって「同意しない意思を形成したり、表明したり、全うすることが難しい状態」を利用して性交等やわいせつな行為をすれば、「不同意性交等罪」や「不同意わいせつ罪」にあたります。
では、「同意しない意思を形成したり、表明したり、全うすることが難しい状態」とはどのような状態でしょうか。
改正法は、①暴行・脅迫、②心身の障害、③アルコール・薬物、④睡眠・意識不明瞭、⑤同意しない意思を形成・表明し全うするいとまがない状態、⑥恐怖・驚愕、⑦虐待、⑧経済的・社会的地位を利用した状態を挙げています。
相手の気を逸らして不意打ちを狙って性交等を行ったり、上司と部下などの関係性によって抵抗できない状態のわいせつ行為も処罰されることになるでしょう。
また、性交同意年齢が「13歳」から「16歳」に引き上げられます。そのため、16歳未満の子どもとの性交等は同意の有無にかかわらず、不同意性交等罪・不同意わいせつ罪にあたります。
加えて、以下のように公訴時効が延長されます。
| 旧法 | 改正法 | |
| 不同意性交等罪 | 10年 | 15年 |
| 不同意わいせつ罪 | 7年 | 12年 |
〇事件を起こしてしまったら
不同意性交等のトラブルや事件に巻き込まれたとき、早急な対応ができるかどうかが重要になります。事件後早急に弁護士に相談しましょう。
須賀法律事務所では刑事事件に特に力を入れており、
性犯罪弁護の経験が豊富です。
是非一度ご相談ください。
