2025/06/26 お知らせ
示談交渉は自分でできる?失敗しないために知っておくべき弁護士の役割とは
「示談すれば大ごとにならずに済む」と考える方は少なくありません。
実際、被害者と話し合って示談が成立すれば、逮捕や起訴を避けられるケースもあり、非常に重要な手続きです。
しかし、示談交渉は一歩間違えると、かえってトラブルが悪化したり、「脅された」「金で解決しようとした」と受け取られて刑事事件化するリスクもあるため、慎重な対応が求められます。
本記事では、
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示談交渉は自分でできるのか?
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自分でやると何が危険なのか?
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弁護士に依頼するとどんなメリットがあるのか?
といった疑問に答えながら、後悔しない示談交渉の進め方について、弁護士の視点から分かりやすく解説していきます。
【目次】 |
示談とは?
刑事事件で「示談」という言葉をよく耳にすると思いますが、そもそも示談とは何かをご存じでしょうか?
示談とは、加害者と被害者の間で金銭的な賠償や謝罪を含めて和解すること
をいいます。民事的な損害賠償の解決手段ですが、刑事事件においても重要な意味を持ちます。
✅ 示談交渉のタイミング
示談は「いつ行うか」によって効果が異なります。
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逮捕前の示談:
警察が動き出す前や、呼び出し段階で交渉が始まった場合。早期に示談が成立すれば、逮捕そのものを避けられる可能性があります。
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逮捕後の示談:
逮捕・勾留後、または起訴前後に弁護士が被害者と交渉するケース。不起訴・執行猶予付き判決などに有利に働くことがあります。
どちらの場合も、「誠意」と「早さ」がカギとなります。
✅ 示談が成立することで得られる主なメリット
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逮捕を回避できる可能性がある
示談が早期に成立すれば、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断され、逮捕されずに済むケースがあります。 -
不起訴処分になる可能性が大幅UP!
被害者が「処罰を望まない」と表明すれば、検察が起訴を見送る可能性が高まります。 -
警察に事件を知られることなく解決できることも
警察が介入する前の段階で示談が成立し、「被害届を出さない」「告訴しない」といった合意内容が含まれていれば、事件そのものが立件されず、前科・前歴がつかずに済むケースもあります。
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刑が軽くなる可能性がある
起訴された後でも、示談が成立していれば、量刑判断において情状が考慮され、刑の軽減につながることがあります。 -
社会的信用へのダメージを抑えられる
事件が大きく広がる前に和解できれば、報道や会社・学校への影響を最小限に抑えられることもあります。
示談をした方がいい場合/しない方がいい場合
示談は、事件の早期解決や処分の軽減に有効な手段ですが、どんな状況でも示談がベストとは限りません。
ここでは、示談をすべきケースと、しない方がよいケースを整理して解説します。
示談をした方がいい場合
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被害届や告訴が出される前
→ 示談成立により事件化を防げる可能性があります。 -
軽微な犯罪で、謝罪・反省の意思を示している場合
→ 被害者の許しを得ることで、不起訴処分が期待できます。 -
不起訴を目指している場合
→ 示談は検察の判断に影響を与え、処分を軽くする材料になります。 -
逮捕や勾留を回避したい場合
→ 示談により「逃亡や証拠隠滅の恐れがない」と判断されることがあります。
示談をしない方がいい❌場合
否認している場合(事実を認めていない場合)
加害者が「自分はやっていない」「事実と異なる」と主張している否認事件では、基本的に示談すべきではありません。
その理由は以下のとおりです:
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示談を申し出ることが、「罪を認めた」と受け取られる
→ 裁判での供述の信用性が疑われる要因となり、かえって不利に働くことがあります。 -
「罪を認めていないのに金銭を払う」という矛盾した行動になる
→ 検察や裁判官に「一貫性のない態度」と評価されるリスクがあります。 -
被害者とのやり取りが新たなトラブルを生む可能性がある
→ 否認しながら示談を試みると、被害者側の不信感や反発を強めることも。
示談をすれば必ずしも有利になるわけではなく、特に事実関係を争う場合は、弁護士と慎重に方針をすり合わせることが欠かせません。
示談を自分で行う方法
※推奨は弁護士への依頼です。以下はやむを得ず自力で行う場合の参考です。
被害者と加害者が当事者同士で示談を行うことは可能です。ただし、トラブル回避の観点からは、できる限り弁護士に依頼することが望ましいです。
それでもどうしても自分で示談交渉をしたい場合は、次の手順と注意点を守って慎重に進めてください。
✅ 1. 被害者への連絡方法は慎重に
まずは電話や訪問は避け、手紙やメールで連絡するのが無難です。
直接会いに行ったり、突然電話をかけたりすると、「脅された」と受け取られるリスクがあります。
文面はあくまで丁寧に、謝罪と示談の希望を伝える程度にとどめましょう。
※録音・保存されている可能性も考慮して言葉を選んでください。
✅ 2. 示談金額は過不足なく提示する
示談金は当事者の合意があれば金額に制限はありません。
1円でも100万円でも、双方が納得していれば成立します。
ただし、以下の点に注意が必要です:
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金額が不自然だと検察に「形だけの示談」と疑われることがある
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被害者が納得していないと、あとで無効を主張されるおそれがある
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不起訴や処分軽減を狙うなら、社会的に妥当な金額であることが重要
金額よりも「どう合意したか」「適切に書面化されているか」が重要になります。
示談交渉において、「いくら払うか」は最もデリケートで重要なポイントの一つです。
しかし、示談金には法律で明確な基準があるわけではなく、事件の内容や被害状況など、複数の要素が絡んで金額が決まります。
示談金の目安
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治療費や交通費
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休業損害(仕事を休んだことによる損失)
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将来の収入への影響(後遺症など)
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精神的苦痛への慰謝料
これらを合計したものが示談金の基礎額になります。
その他に加味される事情
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犯行の悪質性:単発か複数回か、計画性があるか、暴力の程度など
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前科や社会的地位:再犯リスクが高い場合、あるいは社会的信用が重要な職業である場合は高額になりやすい
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被害者の精神的ダメージの大きさ:女性・未成年・高齢者など弱者を対象にした行為や、性的被害では特に高くなる傾向あり
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加害者の経済状況:高収入の人は支払能力に応じて高額を求められることも。一方で経済的困難があれば減額交渉や分割も可能
このように、示談金は単なる謝罪の金額ではなく、実際の被害と周辺事情を総合的に考慮して決まるものです。
適切な金額を提示できないと、「誠意がない」と判断されたり、交渉がこじれる原因にもなります。
✅ 3. 示談書を必ず作成・署名する
口頭だけの合意では、後から「言った・言わない」のトラブルが起こりがちです。
示談書は必ず書面に残し、両者が署名・押印しましょう。
示談書には以下を必ず含めてください:
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被害者・加害者の氏名・住所
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事件の概要と示談の合意内容
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示談金の金額と支払い日
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今後一切の請求を行わない旨(清算条項)
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刑事告訴を行わない/取り下げる旨(可能な場合)
⚠️ 注意!無理に交渉を続けない
相手が応じる気配がない、あるいは態度が過激・攻撃的な場合は、無理に示談を進めようとせず、一度交渉を中断してください。
強引なやりとりは逆効果になるばかりか、新たなトラブルや事件化を招く可能性もあります。
一見うまくいきそうに見えても、示談内容に不備があると、あとで無効になったり再度請求されることがあります。 「示談が成立したと思っていたのに、警察に通報された」というケースも実際にあります。 不安を感じた時点で、途中からでも弁護士に交渉を引き継いでもらうことは可能です。自分で進める場合でも、事前に無料相談などを活用してアドバイスを受けておくことを強くおすすめします。 |
自分で示談交渉をするリスクとは?
「自分で示談すれば、弁護士に頼まなくても済むのでは?」と考える方も少なくありません。
しかし、示談交渉は非常に繊細かつ法的な配慮が必要なやり取りであり、安易に個人で行うと深刻なトラブルに発展するリスクがあります。
ここでは、示談を自分で進めようとした際に起こりうる主なリスクを解説します。
「脅された」「口止めされた」と受け取られるおそれ
加害者が直接被害者に連絡をとると、それだけで「加害者から圧力をかけられた」と受け止められる可能性があります。
たとえば、
「被害届を出さないでほしい」
「お金を払うから許してほしい」
といった言い方は、相手によっては「脅された」「口止めされた」と感じられてしまい、かえって警察に通報されるリスクがあります。
金額や書類の不備で「無効」になる危険も
たとえ双方が合意したとしても、示談書の文言が曖昧などの場合、
後になって「示談が成立していない」「有効性がない」と裁判所に判断されることもあります。
さらに、あとになって被害者やその家族から「話が違う」として追加で金銭を請求されたり「刑事処罰を求められる」といったケースも少なくありません。
示談がこじれて、かえって刑事事件化することも
自分で交渉する際、被害者が怒りをあらわにしたり、金額や謝罪の内容に納得しないと、交渉が決裂する可能性があります。
その結果、もともと警察に通報されていなかったのに、示談交渉がきっかけで事件化してしまうケースもあります。
被害者感情を逆なでするリスク
「とりあえず謝っておけばいい」「お金を払えば済む」といった姿勢は、被害者の感情を逆なでし、むしろ「許さない」という態度に変わる原因になることもあります。示談交渉において、被害者の感情を丁寧に扱うことは非常に重要です。
✅ 弁護士を通すことが“防波堤”になる
これらのリスクを回避するためには、示談交渉は弁護士に任せるのが最も安全かつ確実な方法です。
弁護士が第三者として間に入ることで、法的に適切なやりとりができ、被害者との感情的な衝突も避けやすくなります。
「軽い気持ちで連絡したら、逆に警察沙汰になった」と後悔する前に、まずは専門家に相談することをおすすめします。
✅ 示談を断られたら
「示談をお願いしたけれど、被害者が拒否した」
そんなときでも、反省の意思を示す方法はあります。
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贖罪寄付(しょくざいきふ):犯罪被害者支援団体等に寄付し、謝罪と反省を行動で示す方法。
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供託(きょうたく):示談金に相当する額を供託所に預けることで、誠意を証拠として残す制度。
これらは法的に評価されることもあり、検察や裁判所の判断に良い影響を与えることがあります。
詳細はこちら:【供託とは?】示談金を払いたいのに受け取ってもらえない場合の 対処法を解説 |
弁護士に示談交渉を依頼するメリット
法的に正確で有効な書面・金額で進められる
示談は「合意があれば成立する」とはいえ、法的に無効な示談書や、不適切な金額提示では後々トラブルになりかねません。弁護士に依頼すれば、
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示談書の文言が法的に有効な形で整えられる
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示談金額が事件内容に対して妥当な水準になる
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「今後一切請求しない」「刑事処罰を求めない」など、清算条項を適切に入れられる
といった点を確実にクリアでき、示談の効果が確実に認められるようになります。
第三者として冷静に交渉を進められる
示談交渉では、加害者と被害者の間に感情が残っていることがほとんどです。
自分で謝罪しようとしても、
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被害者が連絡を拒否する
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感情的に怒られて話が進まない
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「脅された」と誤解される
といったトラブルになるリスクがあります。
弁護士が第三者として交渉に入ることで、感情をクールダウンさせ、冷静に進められる環境を整えることができます。
被害者が「本人とは話したくない」と言っているケースも対応
実際には、「本人とは一切話したくない」「謝罪も聞きたくない」という被害者が多く、加害者本人からの連絡は拒否されることも珍しくありません。
弁護士が間に入れば、被害者の心理的な負担を減らしつつ、被害感情に配慮した形で連絡・交渉ができるため、合意に至る可能性が高まります。
警察・検察との連携で不起訴・逮捕回避を目指せる
示談は単なる民事的な和解ではなく、刑事処分にも強く影響します。
弁護士が交渉をまとめたうえで、警察や検察に対して
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示談書の提出
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被害者の「処罰意思なし」の確認
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逃亡・証拠隠滅の恐れがないことの主張
といったアプローチを行うことで、不起訴処分や逮捕回避を実現できる可能性が高まります。
✅ 実際にあった成功事例
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盗撮で警察から呼び出しを受けた男性が、弁護士を通じて即日示談に成功。処罰感情がなくなったことが確認され、逮捕を免れたケース。
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暴行事件で加害者側が示談を試みるも交渉がこじれ、弁護士に切り替えたことで冷静な交渉が進み、不起訴処分が得られた事例。
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痴漢で逮捕された会社員が、勾留中に弁護士が示談を成立させ、検察官が勾留延長を見送り、早期に釈放されたケース。
示談交渉は単なる謝罪やお金の話し合いではありません。 「前科を避けたい」「逮捕されずに済ませたい」と願うなら、 |
示談交渉にかかる弁護士費用と依頼方法
「弁護士に頼みたいけど、費用が高そうで不安…」
「相談してから、もし頼まなかったら悪い気がする…」
示談交渉を検討する際、最初にこうした不安を抱える方は少なくありません。
ここでは、実際にかかる費用の目安や依頼の流れ、無料相談を活用する方法について詳しく解説します。
示談交渉にかかる当事務所の弁護士費用
弁護士費用は以下の通りです。
費用項目 | 内容 | 金額 |
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初回相談料 | 事実確認・方針説明など | 初回相談無料 |
着手金 | 示談交渉の開始時に発生する費用 | 66万円 |
成功報酬 | 示談成立・不起訴など成果に応じた報酬 | 88万円 |
示談金立替 | 示談金を弁護士が一時預かりして支払う場合 | 実費 |
当事務所は初回相談無料です。
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「示談すべきかどうか知りたい」
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「どのくらいの金額になりそうか教えてほしい」
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「まずは話だけでも聞いてみたい」
という段階でも相談可能です。
まずは無料相談で見通しを聞き、納得できたら正式に依頼してください。
無理に契約を迫るような事務所は避けて問題ありません。
弁護士への依頼の流れ
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初回相談で状況確認・アドバイスを受ける
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費用説明・見積もり提示→依頼を判断
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正式契約後、弁護士が示談交渉を開始
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交渉成立後、示談書を作成→警察・検察対応もお任せ可能
弁護士に依頼した方が「得」になるケースとは?
弁護士費用は「交渉力+安心+リスク回避」の対価です
「弁護士に依頼すると費用が高いのでは…」という不安は、多くの方が抱える自然な感情です。たしかに、示談交渉を弁護士に依頼すると、着手金・成功報酬などで数十万円単位の費用がかかることがあります。
しかし、弁護士費用は単に“示談金を減らすためのコスト”ではありません。
むしろ本質的には、法的トラブルを回避するための“保険”であり、精神的ストレスを肩代わりしてもらう対価です。
とくに、以下のようなケースでは弁護士を入れる価値が非常に大きく、金銭面でも精神面でも“依頼した方が得”になることがあります。
不当に高額な示談金を回避したいとき
被害者側が相場より高い金額を要求してきた場合、法律的な知識がないまま応じてしまうと、必要以上の金額を支払うことになりかねません。
弁護士が交渉に入れば、
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適正な相場をもとに調整
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分割や減額の交渉
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不当な要求への拒否や提案の修正
ができるため、過剰な負担を背負わずに済みます。
交渉が困難・こじれそうな場合
相手が示談に応じない、不利な条件を押しつけてくる、連絡が取れない──
こうした状況では、感情や立場の調整が必要になり、法律の専門家の交渉力が極めて有効です。
弁護士が入ることで、冷静かつ公平な第三者として交渉が進みやすくなり、話し合いの成功率が上がります。
精神的な負担を軽減したい場合
被害者と直接やり取りをすることは、精神的に非常に大きな負担を伴います。特に、「自分の言い方で誤解を招かないか」「謝罪しても許してもらえなかったらどうしよう」といった不安はつきものです。
弁護士に任せれば、謝罪・金額提示・書面化などをすべて代行してもらえるため、心理的なストレスから解放され、生活や仕事への影響も最小限に抑えられます。
裁判になるリスクがある場合(事前対策として)
示談が成立せず刑事裁判に発展すれば、前科がついたり、社会的信用を失う可能性もあります。
弁護士が早期から介入していれば、裁判に至らないように交渉の段階で決着を図れる可能性が高まります。
さらに、裁判になった場合にも、既に弁護士が事情を把握しているため、スムーズに防御体制を整えられます。
証拠や法的知識が必要な場合(「勝てる交渉」への支援)
示談交渉では、法的な背景や証拠の扱いが問われる場面も少なくありません。
暴力・盗撮・迷惑行為・名誉毀損などの案件では、証拠の整理や主張の構成によって結果が大きく変わることがあります。
弁護士が入ることで、被疑者の正当性を法的に裏づけ、有利な形で交渉を進めることが可能になります。
「費用が高い」=「損」とは限らない💡
示談交渉の弁護士費用は、金額そのものだけを見て「高い・安い」と判断するべきではありません。
重要なのは、
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不利な条件を防ぐ交渉力
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前科・逮捕といった将来への悪影響を回避する力
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精神的な余裕を守る代行力
といった、数値では測れない“安心”と“結果”への貢献です。
だからこそ、示談交渉における弁護士費用は「保険」であり、「もしもの備え」であり、「あなた自身の未来への投資」でもあるのです。
まとめ:示談交渉は慎重に
示談交渉は、ただ謝ってお金を払えば済む単純な話ではありません。
実際には、自分で交渉を試みてトラブルになるケースも多くあります。たとえば、被害者に直接連絡したことが「脅迫」と受け取られたり、書面に不備があって後から「そんな合意はしていない」と言われるなど、むしろ状況が悪化してしまうこともあります。
また、示談金をできるだけ安く抑えたいという気持ちから、無理に交渉を進めて被害者の感情を逆なでし、示談そのものが破談になることも少なくありません。
そんなとき、弁護士はあなたにとって“交渉の盾”になります。
法的に適正な金額で、冷静に交渉を進めてくれることで、過剰な支払いを防ぎつつ、精神的な負担も大きく軽減できます。
何より、あなたが直接相手とやり取りしないことで、新たなトラブルを避けられるのが大きなメリットです。
当事務所では、初回相談無料で法律相談を受け付けております。
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