コラム

2026/01/23 コラム

不同意性交等罪で冤罪は起こる?疑われた場合の考え方と対応

不同意性交等罪という言葉を目にし、不安や疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。とくに、身に覚えのない形で疑いをかけられた場合、どのように考え、行動すべきか分からず戸惑うケースも少なくありません。

この罪は、2023年の刑法改正によって新設され、同意のない性交等を処罰対象とする重要な規定です。一方で、「同意」が外形的に判断しにくい性質を持つことから、冤罪の可能性や捜査・立証の在り方について議論が生じているのも事実です。

本記事では、不同意性交等罪の概要を踏まえたうえで、冤罪が問題となり得る場面や注意すべきポイント、万一疑われた場合に取るべき対応について、法的観点から整理します。現実的な判断材料を得たい方に向けて解説しますので、参考として最後までご覧ください。

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【目次】

  1. 不同意性交等罪とは?冤罪の議論が出やすい理由
  2. 不同意性交等罪で冤罪と疑われやすい場面は?
  3. 警察・検察が判断で重視する観点を整理!
  4. 「冤罪だ」と感じたときに避けるべき行動は?
  5. 不同意性交等罪で冤罪を疑われた場合の初動対応は?
  6. 取り調べや捜査の進み方を解説!
  7. 不同意性交等罪の冤罪問題で弁護士に相談すべき理由
  8. 不同意性交等罪の冤罪で不安を感じたら須賀法律事務所へ

不同意性交等罪とは?冤罪の議論が出やすい理由

不同意性交等罪は、相手の同意なく性交等を行った場合に成立する犯罪です。

従来の強制性交等罪では暴行・脅迫が成立要件でしたが、改正後は「同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態」が争点となりました。これにより、より広い範囲の行為が処罰対象となっています。

しかし、この改正により冤罪の懸念が高まったという指摘も存在します。

暴行の有無ではなく同意が中心になる点、行為時の意思表示が外から見えにくいこと、当事者の認識が分かれやすい構造という3つの理由が背景にあります。これらの理由について、順に見ていきましょう。

同意の有無が争点になりやすい構造

刑法177条では、8つの類型が「同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態」として明示されています。

暴行・脅迫、心身の障害、アルコール・薬物の影響、睡眠や意識不明瞭な状態、不意打ち、恐怖・驚愕、虐待による心理的反応、地位・関係性が対等でない場合などが該当します。しかし、これらの状態があったかどうかの判断は必ずしも明確ではありません。

例えば、どの程度の酩酊状態であれば「判断力を失っていた」といえるのか、どの程度の地位差があれば「拒否できない状況」となるのかについて、具体的な基準が示されているわけではないのです。そのため、当事者間で認識に食い違いが生じやすく、同意の有無をめぐって争いが生じることがあります。

また、従来であれば処罰できなかった行為も処罰対象となり得るため、「被害者の言ったもの勝ち」という批判も一部で聞かれます。ただし実際には、供述だけで有罪となるわけではなく、供述の信用性や客観的証拠との整合性が重視される点は後述します。

被害者の心理的負担に配慮しながらも、同意があったと認識している側の立場も考慮する必要があるでしょう。法改正の趣旨は性犯罪被害者の保護強化ですが、冤罪リスクへの配慮も忘れてはなりません。

同意の有無という主観的要素が中心となるため、慎重な判断が求められる構造となっています。

証拠が限定されやすい特性

不同意性交等罪の多くは密室で発生します。そのため目撃者がいないケースがほとんどであり、物的証拠も限定的です。

性交等の事実自体は医学的検査や痕跡から立証できる場合もありますが、「同意があったかどうか」という核心部分については、当事者の供述が主な証拠となります。

メッセージ履歴や通話記録、行動記録などが残っている場合もあります。しかし、これらも解釈の幅が広く、一つの証拠だけで同意の有無を明確に判断することは困難です。例えば、性交前に親密なメッセージを交わしていたとしても、行為の直前に拒否した可能性は排除できません。

このように証拠が限定されやすい特性があるため、供述の信用性が極めて重要になります。供述が一貫しているか、具体的であるか、他の証拠と矛盾していないかといった点が慎重に検討されます。裁判では、被害者の供述だけでなく、被疑者・被告人の供述、第三者の証言、客観的証拠などを総合的に評価して判断が下されるのです。

証拠が限定されやすいという特性は、冤罪リスクと表裏一体の関係にあります。

捜査機関や裁判所は、限られた証拠から慎重に事実を認定する必要があり、弁護側も早期に適切な証拠を収集・提出することが求められます。

不同意性交等罪で冤罪と疑われやすい場面は?

では、どのような場面で不同意性交等罪の冤罪が疑われやすいのでしょうか。

実は、知人間や交際関係にあった者同士の間で問題が生じるケースが少なくありません。どういった経緯が存在するのか、詳しく見ていきましょう。

当事者間で認識の食い違いが生じた経緯

性交等の際、一方は同意があったと認識していたものの、他方は同意していなかったと感じていたというケースがあります。

このような認識の食い違いは、さまざまな要因から生じます。曖昧な態度や消極的な反応を「同意」と解釈してしまった場合、実際には相手が恐怖や困惑から拒否できなかっただけという可能性があります。

また、関係性の認識に差がある場合も問題となります。一方は交際関係にあると認識していたが、他方はそう考えていなかったケースや、以前は交際していたものの既に関係が終わっていると一方が考えていた場合などです。このような状況では、性交等への同意についての認識も大きく異なることがあります。

心理的・環境的な理由で、被害を受けた側が時間をかけて整理する場合もあります。行為直後は混乱や自責の念から被害を認識できず、後になって「あれは同意していなかった」と気づくケースです。これを「後出し」と表現する声もありますが、被害者心理の複雑さを理解する必要があります。

認識の食い違いが生じやすい状況としては、酩酊状態での性交等、上下関係がある中での性交等、初対面やごく短い知り合い期間での性交等などが挙げられます。

これらの状況では、同意の有無が曖昧になりやすく、後から問題化するリスクが高まるのです。

事後的に被害申告が行われた経緯

不同意性交等罪の被害申告が、行為から時間が経過した後に行われることがあります。

これには様々な理由が考えられます。被害を受けた直後は恥ずかしさや自責の念から誰にも言えず、時間をかけて相談した結果、申告に至るケースは少なくありません。

また、第三者に相談したことで被害であると認識したケースもあります。友人や家族、カウンセラーなどに話を聞いてもらう中で、「それは同意がなかった」「被害を受けた」と気づくことがあるのです。このような場合、本人は当初「嫌な経験」程度に感じていたものが、後から重大な被害であったと認識が変わることがあります。

さらに、関係が悪化したことをきっかけに申告されるケースも存在します。交際中や友人関係にあった時は問題にしなかったものの、別れた後や関係が悪化した後に「あの時は同意していなかった」と申告される場合です。このようなケースでは、虚偽申告や報復目的ではないかという疑念が生じることもあります。

ただし、時間が経過してからの申告だからといって、必ずしも虚偽であるとは限りません。被害者が申告をためらう理由は多岐にわたり、時間をかけて勇気を出して申告するケースも実際に存在します。

捜査機関は申告時期だけでなく、供述内容の具体性や一貫性、客観的証拠との整合性などを総合的に判断していきます。

警察・検察が判断で重視する観点を整理!

不同意性交等罪の捜査において、警察や検察はどのような点を重視して判断するのでしょうか。前提として、供述だけで有罪となるわけではなく、様々な要素が総合的に検討されます。

ここでは、捜査機関が重視する主な観点について整理していきます。

供述内容と客観的証拠の整合性

警察や検察は、被害者や被疑者の供述だけで判断するのではなく、客観的な証拠との整合性を慎重に検討します。

供述が具体的で詳細であっても、客観的証拠と矛盾している場合には信用性が疑われることになります。

客観的証拠として重視されるのは、メッセージアプリの履歴、通話記録、メールのやり取りなどです。これらには、性交前後のコミュニケーション内容が記録されており、同意の有無を推測する材料となります。

また、行為当日の行動履歴も重要です。防犯カメラ映像、交通系ICカードの利用記録、位置情報サービスのデータなどから、供述内容が裏付けられるかが確認されます。

第三者の情報も客観的証拠として扱われます。共通の知人の証言、目撃者の存在、行為前後の様子を知る人物の話などが、供述の信用性を判断する材料となるのです。

そのほか、医学的証拠も重要な位置を占めます。性交の痕跡、暴行の痕跡、酩酊状態を示す血中アルコール濃度などが、供述内容を裏付けるか検証されます。

そして、供述の一貫性も重視されます。複数回の聴取で内容が大きく変わる場合、その理由が合理的でなければ信用性が低下します。ただし、時間経過による記憶の整理や、詳細な質問により新たな記憶が喚起されることもあるため、変遷の有無だけでなくその内容や理由も検討されます。

当時の状況や関係性の評価

不同意性交等罪の成否を判断するうえで、当時の状況や当事者の関係性が重要な要素となります。酩酊の程度、恐怖や困惑の状態、立場の違い、関係性の性質などが総合的に評価されるのです。

酩酊状態については、単に飲酒していたというだけでなく、判断能力や抵抗能力がどの程度失われていたかが問題となります。意識を失っていた場合は明確ですが、酔っていても会話ができた程度であれば判断が分かれます。恐怖や立場差についても、被害者が「拒否できなかった」と感じた理由が合理的であったかが検討されます。

関係性の評価も重要です。初対面、知人、交際関係、元交際関係など、関係性によって同意の推認されやすさが異なります。ただし、交際関係にあったからといって必ず同意があったとは限らず、個別の状況が検討されます。

重要なのは、「拒否できたかどうか」を当時の状況に基づいて評価する点です。後から見れば「断ればよかった」と思えることでも、当時の状況下では困難だった可能性があります。被害者の年齢、経験、性格、加害者との力関係なども考慮されるでしょう。

捜査機関は、これらの要素を総合的に判断し、「同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態」があったかどうかを慎重に認定していきます。つまり単一の要素だけでなく、状況全体を俯瞰した判断が行われるのです。

「冤罪だ」と感じたときに避けるべき行動は?

不同意性交等罪の疑いをかけられた際、パニックになって不適切な行動を取ってしまうと、かえって状況を悪化させる可能性があります。

ここでは、冤罪だと感じた場合に絶対に避けるべき行動について解説します。

感情的な否定や一方的な主張の拡散

身に覚えのない疑いをかけられると、強く否定したくなる気持ちは自然です。

しかし、感情的になって相手を非難したり、SNSで一方的な主張を拡散したりすることは避けるべきです。SNSへの投稿は証拠として扱われる可能性があり、内容によっては名誉毀損や脅迫の疑いをかけられることもあります。

相手への直接連絡も慎重に考える必要があります。弁明しようと相手に接触すると、証人威迫や脅迫と受け取られる危険があります。特に、被害申告後の接触は「口止めしようとした」と解釈される可能性が高く、逮捕の理由にもなり得ます。

周囲の人々に事情を説明する際も注意が必要です。善意で友人や同僚に相談したつもりでも、話が広まることで相手側に伝わり、場合によっては「組織的に圧力をかけている」と受け取られかねません。また、相手側の関係者に接触して事情を聞こうとする行為も、証拠隠滅の疑いをかけられるリスクがあります。

不安な気持ちは理解できますが、感情的な行動は状況を複雑化させるだけです。冷静さを保ち、適切な方法で対応することが不可欠となります。専門家に相談し、法的に問題のない範囲で行動することが求められます。

証拠となり得るデータの削除

疑いをかけられた際、不利な証拠を消そうとする心理が働くことがあります。

しかし、LINEやDM、写真、メール、通話履歴などを削除する行為は、証拠隠滅として極めて重く受け止められます。証拠隠滅の疑いがあると判断されると、逮捕や勾留の理由となり、身柄拘束のリスクが大幅に高まるのです。

実際には、削除したデータも復元できる場合が多く、完全に消去することは困難です。携帯電話会社やサーバー側にデータが残っていることもあり、捜査機関は必要に応じてこれらのデータを入手できます。削除行為自体が発覚すると、「隠したい何かがあった」という印象を与え、かえって不利になります。

逆に、自分に有利な証拠であれば積極的に保全すべきです。同意があったことを示すメッセージ、当日の行動記録、相手との良好な関係を示すやり取りなどは、早期にバックアップを取っておくことが推奨されます。ただし、証拠の改ざんは絶対に避けなければなりません。

データの取り扱いについては、弁護士に相談してから行動することが最善です。どのデータを保全すべきか、どのように保管すべきかについて、専門家のアドバイスを受けることで適切に対応できます。

自己判断でデータを削除したり改変したりすることは、取り返しのつかない結果を招く可能性があります。

不同意性交等罪で冤罪を疑われた場合の初動対応は?

不同意性交等罪の疑いをかけられた際、初動対応が極めて重要です。適切な対応を取ることで、事態の悪化を防ぎ、有利な展開につなげることができる可能性が高まります。

ここでは、疑われた場合に取るべき初動対応について解説します。

事実関係を時系列で整理する

まず行うべきは、事実関係を正確に時系列で整理することです。

記憶が鮮明なうちに、できるだけ詳細に記録しておくことが重要となります。いつ、どこで、誰と、何があったのかを具体的にまとめましょう。

日時については、できる限り正確に特定します。スケジュール帳やカレンダーアプリ、交通系ICカードの利用履歴などを確認することで、正確な日時を裏付けることができます。場所についても、具体的な住所や店名、建物名などを記録しておきましょう。

出会いから性交に至るまでの経緯も詳細に整理します。どのような会話があったか、どのような行動を取ったか、相手の反応はどうだったかなど、できるだけ具体的に記録します。性交後の行動や会話についても同様に整理しておくことが大切です。

整理した内容は、メモやノートに記録しておきます。後から思い出したことを追記する場合は、日付を明記して追記であることがわかるようにしましょう。この記録は、弁護士に相談する際の資料となります。

ただし、事実と異なることを記載したり、後から改ざんしたりすることは絶対に避けなければなりません

当時の状況を裏付ける事情を把握する

事実関係を整理したら、同意の有無に関係する事情を洗い出します

当時の状況を客観的に裏付ける証拠や情報を把握するために、まず、性交前のやり取りを確認します。メッセージアプリやメール、通話記録などに、同意を示唆する内容がないか確認しましょう。例えば、「会いたい」「楽しみ」といった前向きなメッセージや、デートの約束、親密な会話などが記録されているかもしれません。

性交後のやり取りも重要です。お礼のメッセージ、次回の約束、変わらず親密なやり取りが続いていたことなどは、当時同意があったことを推測させる材料となります。ただし、被害者が当時は恐怖から何も言えなかった可能性もあるため、これらだけで同意があったと断定できるわけではありません。

第三者の証言も有効です。共通の知人が当時の関係性について証言できる場合や、性交前後の様子を知っている人がいる場合は、その情報を整理しておきます。

また、防犯カメラ映像、店舗のレシート、交通機関の利用記録など、行動を裏付ける客観的な証拠も把握しておくことが大切です。

早期に専門家へ相談する

事実関係を整理し、関係する証拠の有無や内容を把握した段階で、できるだけ早く弁護士へ相談することが重要です。刑事事件を扱う弁護士であれば、現在の状況を法的に整理し、今後想定される手続きや取るべき対応方針について具体的に助言することができます。

相談のタイミングは早いほど選択肢が広がります。警察から連絡を受けた時点や、被害申告がなされた可能性を知った段階で相談することで、逮捕や強制捜査に至る前の対応が検討できる場合があります。事案によっては、事情説明や示談交渉を通じて、刑事手続きに発展することを防げる可能性もあります。

また、弁護士は取調べへの対応方法や供述調書の作成過程における注意点についても助言します。事実と異なる供述や不用意な発言を避けることで、後の手続きにおける不利益を抑えることが期待できます。証拠の整理・保全についても、専門的な観点からサポートを受けることが可能です。

費用面に不安を感じる方も少なくありませんが、初回相談を無料としている法律事務所や、費用の支払い方法について柔軟に対応している事務所もあります。早い段階で相談することで、費用を含めた現実的な見通しを立てやすくなります。

刑事事件では初動対応が結果に影響することも多いため、自己判断で対応を進める前に、専門家の助言を受けることが望ましいといえるでしょう。

取り調べや捜査の進み方を解説!

不同意性交等罪の疑いで捜査の対象となった場合、今後どのような手続きが進み、どの点が確認されるのかを把握しておくことは参考になります。

ここでは、取り調べや捜査がどのように進められるのかについて、一般的な流れを説明します。

事情聴取で重視される点

取り調べでは、「何を聞かれるか」よりも「どう見られるか」が求められます。

捜査官は、供述内容そのものだけでなく、供述の仕方や態度からも様々な情報を読み取ろうとします。

話の一貫性は最も重視される要素の一つです。複数回の聴取を通じて、同じ質問に対して同じ答えができるか、細部まで一貫した説明ができるかが確認されます。矛盾や食い違いがあれば、その理由を追及されることになります。

ただし、時間経過による記憶の変化や、新たな質問により思い出したことなど、合理的な理由がある変遷であれば必ずしも不利にはなりません。

具体性も重要な評価要素です。日時、場所、状況について具体的に説明できるか、抽象的な表現ではなく詳細な描写ができるかが見られます。あまりに具体性に欠ける供述や、都合の良い部分だけ記憶が曖昧という場合は、疑いを持たれることがあります。

その場しのぎの説明になっていないかも注意深く観察されるでしょう。質問に対して即座に答えられるか、考え込んだり矛盾を指摘されて慌てて修正したりしていないか、辻褄を合わせようと不自然な説明をしていないかなどが評価されます。

自然な流れで一貫した説明ができることが大切です。

供述の変遷が評価に与える影響

供述が変わること自体が即座に不利になるわけではありません

記憶は完璧ではなく、時間経過により詳細が思い出されることもあれば、逆に曖昧になることもあります。重要なのは、変遷の理由や経緯が合理的かどうかです。

時間経過による記憶の整理で内容が変わる場合もあります。当初は混乱していて正確に説明できなかったが、冷静になって考え直したところ記憶が整理されたというケースです。このような変遷であれば、必ずしも信用性を損なうものではありません。

詳細な質問により新たな記憶が喚起されることもあります。最初は大まかにしか説明できなかったが、具体的に質問されることで詳細を思い出したという場合です。この場合も、変遷の経緯が自然であれば問題とならないでしょう。

一方、矛盾を指摘されて慌てて修正したり、明らかに辻褄合わせのために内容を変えたりする場合は、信用性が大きく低下しかねません。供述が二転三転し、その都度言い訳のような説明を繰り返す場合も同様です。

供述の変遷については、弁護士と相談しながら対応することを推奨します。記憶が曖昧な部分を無理に断定的に話したり、わからないことを適当に答えたりすると、後から矛盾が生じる原因となります。

わからないことは正直に「わからない」「覚えていない」と答えることも、時には必要なのです。

任意の取り調べと強制捜査の違い

捜査には、任意の取り調べと強制捜査の2つがあります。

両者には大きな違いがあり、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

任意の取り調べは、身柄を拘束されずに行われる聴取です。警察署や検察庁に出頭を求められますが、法的には応じる義務はありません。ただし、正当な理由なく拒否し続けると、逮捕の理由となる可能性があります。時間や日程の調整は可能であり、弁護士に相談してから出頭することもできます。

強制捜査は、逮捕状や捜索差押令状などの令状に基づいて行われます。身柄拘束を伴う逮捕の場合、最大72時間は警察署の留置場に拘束されます。その後、検察官が勾留請求すると、さらに10日間から20日間の身柄拘束が続く可能性があります。

任意と強制の境界は曖昧な場合もあります。「任意同行」という形で警察署に連れて行かれたものの、実質的には断れない状況だったというケースもあります。このような場合、弁護士に連絡する権利があることを知っておくことが大切です。

強制捜査に移行するかどうかは、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるかで判断されます。住所が定まっている、家族がいる、定職があるといった事情は、在宅捜査で進められる可能性を高めます。しかし、弁護士が早期に介入し、これらの事情を捜査機関に説明することで、逮捕を回避できる場合もあることを覚えておきましょう。

不同意性交等罪の冤罪問題で弁護士に相談すべき理由

不同意性交等罪の疑いをかけられた場合、弁護士への相談は不可欠です。

ここでは、不安を煽らず現実的なメリットを整理し、「早いほど選択肢が増える」という視点から解説します。

【関連記事】不同意性交等罪の疑いをかけられたら弁護士にすぐ相談すべき?相談することで得られるメリットについても徹底解説!

初動対応の遅れが結果を左右しやすい

不同意性交等罪の捜査は、スピードが重要です。

被害申告から起訴・不起訴の判断までの期間は限られており、この間にどのような対応を取るかで結果が大きく変わります。

逮捕前であれば、弁護士が警察に対して逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを説明し、在宅捜査を求めることができます。また、被害者との示談交渉を早期に開始することで、被害届の取り下げや刑事事件化の回避も視野に入ります。逮捕された後では、これらの選択肢が大幅に制限されてしまうのです。

証拠の保全も時間との勝負です。メッセージ履歴や通話記録は、時間が経つと削除されたり上書きされたりする可能性があります。監視カメラの映像も一定期間で消去されてしまいます。早期に弁護士に相談することで、これらの証拠を適切に保全できます

供述調書への対応も初動が大切で、最初の取り調べで不利な内容を供述してしまうと、後からそれを覆すことは極めて困難になるでしょう。弁護士から事前にアドバイスを受けることで、適切な対応が可能となるのです。

供述内容や説明方法で不利になる可能性

取り調べでは、法的知識がない状態で供述すると、意図せず不利な内容を認めてしまいかねません。

例えば、「同意があったと思っていた」という表現は、一見すると無罪を主張しているようですが、「思い込みだった可能性」を認める内容とも解釈できます。また、「相手が嫌がっていなかった」という説明も、積極的な同意があったことの証明にはなりません。法律的に意味のある説明をするには、専門家の助言が必要です。

弁護士は、法的に有効な主張の仕方を指導します。どのような事実を強調すべきか、どのような表現を避けるべきか、具体的にアドバイスを受けることができるほか、供述調書の内容を確認し、不正確な記載や不利な表現がないかのチェックも入ります。

黙秘権の行使についても適切な判断が必要です。すべてを黙秘すればよいというものではなく、状況に応じて説明すべき点と黙秘すべき点を見極める必要がありますが、弁護士に相談することで応じるべきタイミングが見えてくるでしょう。

警察・検察対応の方針を専門的に判断できる

不同意性交等罪の捜査では、警察や検察とどのように向き合うかも考慮すべきです。とはいえ、どのように対応すれば良いのかわからない方が大半でしょう。

弁護士は、捜査機関の動きを読み、適切な対応方針を立てます。取り調べへの出頭要請があった場合、すぐに応じるべきか・弁護士同伴で出頭すべきか・日程調整を求めるべきかなど、状況に応じた判断が求められます。また、取り調べでどこまで説明すべきか・どのタイミングで証拠を提出すべきかなども適切に判断する必要があります。

弁護士は、検察官に対して不起訴を求める意見書を提出することもできます。事件の背景、同意があったことを示す証拠、被疑者の反省や再発防止策などを整理し、起訴する必要がないことを法的に説得力のある形で主張します。このような活動は、法的知識と経験がなければ効果的に行えません。

また、捜査の進行状況を把握し、今後の見通しを立てることも弁護士の役割です。起訴される可能性がどの程度あるか、どのような処分が予想されるか、具体的な見通しを示してもらうことで、冷静に対応することができるでしょう。

証拠の整理と評価を第三者視点で行える

当事者自身では、どの証拠が有利でどの証拠が不利かを客観的に判断することが難しい場合が多くありますが、弁護士は第三者の視点から証拠を整理・評価し、効果的な活用方法を考えます。

同意があったことを示す証拠として、メッセージのやり取り、通話記録、共通の知人の証言などが考えられます。しかし、これらの証拠も単独では不十分な場合があり、複数の証拠を組み合わせて説得力のあるストーリーを構築する必要があります。弁護士は、証拠の価値を見極め、最も効果的な提出方法を検討します。

一方で、不利な証拠についても正確に評価することが求められます。不利な証拠を無視したり隠したりすると、かえって信用性を損なう可能性があります。弁護士は、不利な証拠についても合理的な説明を用意し、総合的に有利な評価を得られるよう努めます。

証拠の法的な意味を理解することも重要です。例えば、性交後に親密なメッセージを交わしていたという事実は、当時同意があったことを推測させる材料にはなりますが、決定的な証拠とはなりません。

弁護士は、各証拠がどの程度の証明力を持つか、どのように主張すべきかを専門的に判断する存在でもあるのです。

示談や不起訴の現実的可能性を検討できる

不同意性交等罪の疑いをかけられた場合、最も望ましい結果は不起訴処分を獲得することです。弁護士は、示談や不起訴の実現可能性を現実的に評価し、そのための具体的な方策を提示します。

示談交渉では、被害者の連絡先を入手することから始まります。捜査機関は被疑者側に被害者の情報を開示しないため、弁護士を通じて交渉する必要があるのです。弁護士であれば、被害者も安心して連絡先を開示し、交渉のテーブルに着くことができます。

示談金の金額や条件についても、弁護士が相場を踏まえつつ、事案の内容や被害者の処罰感情、依頼者の経済状況などを考慮して、現実的な条件を提案します。高額すぎる要求には交渉の余地を探り、低額すぎて示談が成立しないリスクも回避します。

示談が成立すれば、不起訴処分を獲得できる可能性が大幅に高まります。弁護士は、示談書の内容を検察官に提出し、起訴する必要がないことを説得力を持って主張します。また、示談が成立しなくても、その他の情状証拠を集めて不起訴を目指す活動を行います

不同意性交等罪の冤罪で不安を感じたら須賀法律事務所へ

ここまでお話ししてきたように、不同意性交等罪は、同意の有無という目に見えにくい要素が争点となるため、冤罪リスクへの懸念も存在します。しかし、供述だけで有罪となるわけではなく、客観的証拠との整合性や当時の状況が総合的に判断されます。

できるだけ早く弁護士に相談し、適切な対応方針を立てることが必要となります。そんなとき一つの選択肢としてお勧めしたいのが、「須賀法律事務所」です。

須賀法律事務所は、刑事事件、特に性犯罪事案の弁護に豊富な経験を持つ法律事務所です。
不同意性交等罪の疑いで不安を感じている方に対して、法的観点から冷静な分析を行い、最善の解決策を提案いたします。

須賀法律事務所では、初回相談を無料で承っているほか、土日祝日も対応可能で、緊急時にも迅速に対応できる体制を整えています。

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この記事の執筆者

須賀 翔紀(弁護士)の写真

須賀 翔紀(弁護士)

須賀事務所 代表弁護士。刑事弁護・犯罪被害者支援を専門とし、これまでに500件以上を担当。

監修

須賀法律事務所

初出掲載:2026年1月23日
最終更新日:2026年1月23日

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