2023/05/04 コラム
前歴と前科とは?前科がつくと私生活にどのような影響が出るのか?
「前科と前歴の違いは?」「前科がつくとどうなるの?」
【前科・前歴とは】
前歴とは、警察や検察から犯罪の嫌疑をかけられて捜査対象となった履歴を指す用語です。
逮捕の有無に関係なく、警察などから捜査対象になった時点で前歴になります。
前科とは、有罪判決を受けた履歴を指す用語です。
懲役・禁錮のように刑務所へ収監された場合はもちろんですが、罰金・科料といった金銭徴収の刑罰でも前科になります。
【交通違反でも前歴・前科はつくのか】
軽度の速度違反や駐車違反など、軽微な交通違反を犯した場合は、
通常の刑事処分ではなく、交通反則通告制度が適用されます。
期限内に反則金を納付する代わりに刑事手続きを免除するものなので、前歴・前科はつきません。
ひき逃げや無免許運転、飲酒運転などの悪質で危険性の高い違反行為は刑法犯罪として扱われますので
こうした重要な交通違反や交通事故で、有罪判決が確定した場合は前科がつきます。
なお、違反点数が一定以上に累積し、運転免許の停止や取り消し等の措置を受けた場合は
刑事罰ではなく、行政処分になりますのでそれによって前歴・前科がつくことはありません。
【前科がつくとどうなるか】
前科がつくと複数のデメリットがあります。
・一部の職業において、就職が制限されたり資格取得ができなくなる
・すでに資格を有している場合には、資格が剥奪される可能性がある
・就職・転職活動で履歴書に記載を求められた際に、不利益を被る可能性がある
・会社が学校によっては、解雇・退学処分となる可能性がある
・ニュースになってしまったら、インターネット上に罪を犯したという情報が残る
前科・前歴は一生涯残ります。
前科・前歴を消すことはできません。
【前科がつくのを回避するには】
前科がつくのは有罪判決を言い渡されて刑罰が確定した時点です。
つまり、検察官の起訴を回避すれば前科はつきません。
検察官が不起訴処分を下した場合は、その時点で事件が終結し、逮捕されていた場合でもただちに釈放されます。
最も効果的な方法は、被害者との示談成立による不起訴処分を目指すことです。
示談交渉は個人での対応は推奨できません。
被害者が加害者に対して強い怒りや嫌悪感を抱いていた場合、示談交渉を進めたくても
相手にしてもらえない可能性があります。
また、被害者である立場を逆手に取って高額な慰謝料を提示してくる者も存在します。
不起訴処分を目指した被害者との示談交渉は、本人や家族といった個人で対応するのではなく
弁護士を通じて行うのが最善でしょう。
当事務所では刑事事件に力を入れております。
「前科をつけたくない」「示談交渉を進めたい」など、
お困りのことがございましたらまずはお気軽にご相談ください!