2023/04/07 コラム
マンガやアニメのセリフを使ったら著作権侵害?どんな罪に問われるのか解説
「マンガやアニメのセリフに著作権はある?」「SNSにアップロードするのは犯罪?」
アニメやドラマなどで出てくるセリフは著作権保護されるのでしょうか?
本記事では、著作権とは簡単にどういうものなのか、アニメやドラマなどに出てくるセリフを使ったら
著作権侵害となって罪に問われるのかについて解説していきます!
【著作権・著作物とは】
著作物は、自分のアイデアで生み出した言葉、音楽、小説、映画、写真などを指します。
その著作物を制作した人は著作者となり、著作者に対して与えられる権利が「著作権」です。
著作権を取得するのに申請等は必要なく、作品が生まれた瞬間に権利は発生します。
例えば、3歳の子どもが落書きを書いたら、その時点で著作権は発生します。
しかし、他人が創作した作品を模倣したものや、ありふれたものは著作物にはなりません。
つまり、模写やトレースによって作成された場合には著作権は発生しません。
【セリフにも著作権はあるのか】
アニメやドラマで出てくるセリフにも著作権はあります。
台本自体に著作権があるのです。
しかし、極めて短い文章やありふれた言葉では著作権は認められません。
たとえば、
「海賊王に俺はなる!」
「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」
上記のセリフは有名な作品のセリフですが、著作権は認められないでしょう。
世間一般からみて有名かどうかは著作権が認められるかどうかには関係ありません。
これらのセリフはごくありふれた表現を組み合わせたものにすぎず、
一般的に使用される範疇を超えるものとは言い難いため、
そもそも創作性を欠き著作物ではないと考えられます。
しかし、名ゼリフが商標化している場合は、注意が必要です。
商標化されているセリフを、商品の名前にしたり、サービスの名称にする場合は
「商標法違反」に該当するおそれがあるため気をつけてください。
また、短い文章であっても創造性があると認められる場合には著作権が認められますのでご注意ください。
俳句などは短い文章ではありますが著作権が認められることが多いです。
※ なお、今回のケースは文章のみのコピーを想定しております。
アニメの映像の切り抜きや、イラストを伴うコピーは著作権侵害に当たる可能性が極めて高いです。
【著作権侵害の罪は?】
著作権侵害(著作権法119条1項)の法定刑は、
「10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する」とされています。
企業などの法人等による侵害の場合は、3億円以下の罰金が科されます。
しかし、著作権侵害は親告罪ですので、権利者が訴えない限り罪にはなりません。
第三者が訴えることはできないのです。
SNSでよく見かける漫画の二次創作も、著作権侵害に該当しますが、
権利者が事件化しない限り問題にはならないのです。
また、この記事を読んで著作権侵害が心配になった方は、引用を利用するといいでしょう。