2025/02/26 コラム
示談交渉や慰謝料請求で「脅迫」と言われないために!トラブルを回避するための適切な伝え方
トラブルが発生した際、示談交渉や慰謝料請求をすることは決して珍しくありません。不倫・暴行・名誉毀損・セクハラなど、さまざまなケースで個人間の慰謝料請求が行われます。しかし、請求の仕方を間違えると「脅迫だ」と言われ、逆に自分が法的責任を問われるリスクもあります。
本記事では、脅迫にならないためのポイントや、トラブルを避けるための適切な伝え方について解説します。
*用語解説:示談金と慰謝料*
示談金: 示談の成立に際して、被害者に支払われる治療費や休業損害、慰謝料を含めた金額です。民事訴訟の回避や刑事事件での不起訴を目的として、当事者間で合意の上で決められることが一般的です。
慰謝料: 精神的苦痛に対する賠償として支払われる金銭です。犯罪行為や不法行為の結果として、被害者の感情的な苦痛を補償することを目的としています。
【脅迫と判断されるケース】
示談金や慰謝料を請求する際、以下のような言動があると「脅迫」とみなされる可能性があります。
(1)暴力や危害をほのめかす
「慰謝料を払わないと痛い目に遭うぞ」など、相手に危害を加えるような発言は明確に脅迫罪(刑法222条)に該当します。
(2)社会的制裁を示唆する
「慰謝料を払わないなら職場にバラす」「家族に知らせる」など、社会的に不利益を与えることをほのめかす行為も、脅迫や名誉毀損に該当する場合があります。
(3)執拗な請求を繰り返す
何度も電話やメールで請求し続けると、場合によっては「強要罪」(刑法223条)や「ストーカー規制法」に抵触する可能性があります。
*相手が無視してきた場合は、弁護士を通じて請求するなどの方法を検討しましょう。
【慰謝料請求を適切に行うためのポイント】
では、どのようにすれば正しく請求ができるのでしょうか?
(1)感情的にならず冷静に伝える
慰謝料請求の際は、相手に怒りをぶつけるのではなく、冷静かつ論理的に伝えることが重要です。相手の非を責めるのではなく、「〇〇の件で精神的苦痛を受けたため、慰謝料を請求します」とシンプルに伝えましょう。
(2)証拠を示す
慰謝料を請求する正当性を証明するため、証拠を用意しましょう。例えば、不貞行為の証拠(写真やLINEのやり取り)、名誉毀損の証拠(SNS投稿のスクリーンショット)などです。証拠があれば、相手も請求の正当性を理解しやすくなります。
(3)内容証明郵便を利用する
口頭やLINEでの請求は誤解を生む可能性があります。正式な請求として、内容証明郵便を利用するのがおすすめです。内容証明郵便なら、請求の内容や日時を証拠として残せるため、後々のトラブルを防ぐことができます。
(4)調停を利用する
もし当事者間で話し合いが難しい場合は、家庭裁判所の調停を利用するのも一つの方法です。調停では、中立な調停委員が間に入ることで、冷静かつ公平な話し合いが可能になります。調停が成立すれば、法的に有効な合意として残すことができます。
(5)弁護士を通じて請求する
相手と直接やりとりをすると感情的になりやすく、トラブルに発展しがちです。弁護士を通じて請求すれば、適切な方法で進められ、脅迫と誤解されるリスクを回避できます。
【もし相手から「脅迫だ」と言われたら?】
もし慰謝料を請求した際に「脅迫だ!」と相手が主張してきた場合、まずは冷静に対応しましょう。
(1)請求内容を見直す
自分の言動を振り返り、脅迫と受け取られるような表現がなかったか確認しましょう。もし不適切な表現があれば、謝罪し、適切な方法で請求し直すのが賢明です。
(2)相手の主張が不当なら弁護士に相談
正当な慰謝料請求をしたにもかかわらず、相手が脅迫だと主張している場合、弁護士に相談するのが最善策です。法的に適切な対応をとることで、不要なトラブルを避けられます。
【まとめ】
慰謝料請求は正当な権利ですが、伝え方を間違えると「脅迫」とみなされるリスクがあります。暴力的な表現や社会的制裁を示唆する言動は避け、冷静かつ適切な方法で請求しましょう。
不安がある場合は、弁護士に相談するのが安心です。トラブルを未然に防ぎ、正当に慰謝料を請求するために、適切な対応を心がけましょう。
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