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2025/02/28 コラム

任意同行を拒否するとどうなる?求められた時の適切な対応や弁護士に依頼するメリットを解説!

任意同行を求められた場合、どのように対応するべきか、多くの人が大きな不安や疑問を感じる場面です。警察や検察からの任意同行は、犯罪捜査の一環として行われますが、強制ではなく自発的な協力を求めるものであり、拒否することが可能です。

しかし、拒否することでどうなるのか、その後の対応はどうすべきか、迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、任意同行の基本的な知識や拒否する場合や適切な対応について詳しく説明します。また、万が一の時に弁護士へ依頼するメリットや、冷静かつ適切な対応をするための方法についても解説します。

任意同行とは?拒否することができる?

画像 警察や検察から任意同行を求められる場面は、意外と多くの人が経験する可能性があります。自分が全く関与していないと思っている場合でも、何らかの理由で呼び出されることがあり、予期せぬ状況に戸惑ってしまうこともあるでしょう。

そもそも「任意同行」とは何を指すのでしょうか?また、その要求を拒否することはできるのでしょうか?

任意同行とは?

任意同行(にんいどうこう)とは、警察官や検察官が犯罪捜査の一環として、疑いをかけられている人物に対して、強制ではなく、あくまで自発的な協力を求めるものです。文字通り「任意」であり、同行を求められた場合でも、法律に基づき拒否することができます。

ここで「任意」とは、相手が協力しない場合には強制的に連行することはできないということを意味しています。職務質問中または犯罪捜査中に警察や検察から任意同行を求められる場合は、強制ではなく任意での協力を求められているということになります。

任意同行は拒否することができる?

警察や検察官が求める任意同行は、あくまで「任意」です。そのため、必ずしもそれに応じる義務はなく、拒否することも可能です。 任意同行の際に重要なのは、その場で自分の意思を明確に伝え、拒否する理由を冷静に述べることです。

職務質問は、基本的に身柄を拘束しないことが前提です。そのため、任意同行を拒否したとしても、その場ですぐさま逮捕されるわけではありません。ただし、他の判断材料により警察が強制的に行動に出る可能性は考えられるでしょう。

任意同行と逮捕の違い

任意同行と逮捕の最も大きな違いは、その「強制力」にあります。任意同行では、当事者の意志で拒否することができるため、強制的に従わせることはできません。この場合、疑いのある人物であっても、自発的な同意のもとで調査が進められることになります。

その一方で、逮捕には法的な強制力が伴います。逮捕の場合には、通常、裁判所から発行された逮捕状が必要です。逮捕は逃亡や証拠隠滅の恐れがある場合に実施されます。

任意同行とは異なり、逮捕された場合は原則としてその場で身柄が拘束され、被疑者の自由が制限されることになります。

任意同行に応じると逮捕されることもある

任意同行に応じた場合、逮捕に至ることも一定数あります。 任意同行時の取り調べやほかの捜査で新たな証拠が発見された場合や、取り調べ中に余罪が判明して事件の重大性が増してしまった場合、もともと逮捕予定だったけれど周囲の配慮から形式的に任意同行を求めた場合などがこれにあたります。任意同行には強制力はありませんが、実質的な逮捕と同様の状況になる可能性もあるため、慎重な対応が必要です。

実質的逮捕と認められる任意同行は違法

任意同行のなかには実質的な逮捕と見られる状況を作り出す可能性があり、この場合は違法となってしまう可能性があります。法的に問題となるのは、逮捕の要件を満たしていないケースや、捜査の時間的な制限を回避するために、任意同行を装って実質的に取調室に拘束しているケースです。 判例において、任意出頭時の取り調べについては、事案の性質や被疑者に対する容疑の程度、被疑者の態度などを考慮した上で、社会通念上相当と認められる方法や限度で許容されるとされています。(参考:裁判所

しかし、強制や不正な取り調べによって得られた供述は、「自白の強要」に該当し、証拠として認められない場合があります。違法に取得された証拠は、基本的に証拠能力が否定され、裁判で使用することができません。(参考:大阪弁護士会

もし任意同行後に不当な取り調べを受けた場合は、すぐにその場を離れることを求め、弁護士に相談することが非常に重要です。弁護士の助言を受けて適切に対応することで、自身の権利を守ることができるでしょう。

任意同行を求められるケース

任意同行は、具体的にどのようなケースで任意同行が求められるのでしょうか? このセクションでは、任意同行がどのような場面で行われるのか、具体的なケースを紹介しながら解説します。

職務質問の際に任意同行を求められる

任意同行は、警察官による職務質問の延長線上で要請されることがあります。 警察官は、何らかの犯罪行為の疑いがある場合や、犯罪の嫌疑がかけられている人物を発見した際に、職務質問を行う権限を持っています。

そして、その場で質問を行うのが不適当と判断される場合や、質問が本人にとって不利になりそうな場合には、警察署などに同行を求めることができます。 これは任意同行が捜査の一環として行われる場合で、主に警察署などでより詳しい事情聴取をするために、容疑者の協力を得る目的で行われることになります。

犯罪捜査のために任意同行を求められる

任意同行は、職務質問の延長線上だけでなく、より広範な犯罪捜査の一環としても警察や検察などの捜査機関によって要請されることがあります。 例えば、ある事件の捜査過程で、直接の容疑者ではないものの重要な情報を持っていると思われる人物に対して、任意同行を求めることがあります。

また、逮捕状の発付には至らないものの、事件に関与している可能性が高い人物に対しても、任意同行を通じて事情聴取を行うことがあります。 これは、捜査機関が証拠の収集や供述を獲得するために行われる場合で、被疑者や参考人から情報を得る目的で行われることになります。

任意同行を拒否するとどうなる?

任意同行を求められたときに、拒否が可能だと理解していても、その後にどうなるのかは心配になってしまうところです。 拒否することで捜査が不利に進む可能性はあるのでしょうか?また、警察はどのように対応するようになるのでしょうか?

このセクションでは、任意同行を拒否した場合にどうなるのか、生じる可能性のある事柄について説明します。

職務質問の際に任意同行を拒否した場合

職務質問の際に任意同行を拒否したことで、即座に逮捕されるわけではありません。しかし、拒否の仕方や状況によっては、警察官の疑念を深める可能性があることに注意が必要です。

警察官の対応としては、拒否された場合、連絡先を聞いて後日の出頭を依頼したり、その場で引き下がったりすることが一般的ですが、拒否の態度によっては、別の問題が生じる可能性もあります。例えば、感情的になって公務執行妨害罪や器物損壊罪に該当する行為を行えば、それらの罪で逮捕される可能性があります。 平常心を保つことが難しい心境かもしれませんが、極力冷静に対応するよう心掛けましょう。

犯罪捜査のための任意同行を拒否した場合

犯罪捜査のため任意同行を求められた場合も拒否は可能で、拒否したことですぐに逮捕につながることはありません。しかし、任意同行を繰り返し拒否した場合、警察が「逃亡や証拠隠滅の恐れがある」と判断することもあります。特に、正当な理由なく3回程度拒否すると、逮捕状が請求される可能性が高くなるとされています。

任意同行を拒否する理由には、身体上の事情や家庭の事情など、理由があって任意同行に応じられないケースもあることでしょう。そのような場合は、落ち着いて捜査機関に出頭できない理由を説明することが大切です。

事案によっては、不出頭以外の事実から、「逃亡または証拠隠滅のおそれがある」と判断されることもあります。その場合は、何度か拒否した程度でも、逮捕につながってしまうことがあるでしょう。 また、もともと逮捕予定だったけれど周囲の配慮から形式的に任意同行を求めた場合には、拒否をすればその場で逮捕される可能性もあります。

任意同行を求められた時の適切な対応

画像 任意同行を求められると、どうしても戸惑いや不安を感じることが多いでしょう。しかし、冷静に適切に対応することで、無用なトラブルを回避することができます。

このセクションでは、任意同行を求められた際にどのような対応が適切であるかのアドバイスをお伝えします。どのように対応すべきか、どんなポイントを押さえるべきか、知っておきましょう。

協力できる範囲で捜査に協力する

任意同行は確かに拒否することができますが、むやみに拒否することは状況を悪化させてしまう可能性もあります。 警察の捜査は公共の安全を守るための重要な活動であり、その目的は決して嫌がらせや無駄な圧力をかけることではありません。

もし任意同行を拒否した結果として、重大な事件が発生した場合、後悔することになるかもしれません。 例えば、任意同行を拒否した人物がその後何らかの事件を引き起こすというような事態があった場合、警察がその人物を取り逃がしたことへの批判が高まるのは必至です。警察が職務質問を行う理由には、公共の安全と秩序の維持という大きな目的があるため、単に疑いを持たれたからといって、必要以上に警察との対立をするのは得策ではないといえます。

しかし、場合によっては警察が過剰に追及してしまうことも考えられます。特に一度疑いをかけられた人物に対しては、警察のアプローチが厳しくなることがあります。協力すれば必ずしも安全だとは限らず、逆に不利益を被る可能性もあるでしょう。

特に、警察の質問にすべて答えることは、結果的に自分に不利益をもたらすかもしれないというリスクを念頭に置いておく必要があります。

供述調書に安易に署名押印はしない

任意同行を求められた場合、自分に心当たりがないのであれば、すぐに家族や弁護士に連絡を取り、アドバイスを求めるべきです。 任意同行を求められた際、供述調書に安易に署名や押印をしてしまうことは避けることが賢明です。供述調書にサインをすると、その内容が証拠として利用されることになるため、慎重に対応しなければなりません。

警察の取り調べの際、何を言うべきか、言いたくないことをどう処理するかについては、冷静に判断することが重要です。 もし任意同行に応じる場合、調書にサインする前に、自分の発言や内容について十分に考慮する時間を取ることをおすすめします。特に、自分に不利な内容が含まれる場合や誤解を招くような発言をしてしまった場合、それが後々自分に不利益をもたらす可能性があるからです。

仮に答えることが難しい質問や、話したくない内容があった場合、その場で「黙秘します」と伝え、供述調書に記載される内容に慎重に対応しましょう。 供述調書へのサインをしない、または内容に対して慎重に対応することは、自分自身を守るために重要なポイントになります。

弁護士に相談する

任意同行は、警察官から突然求められることが多いため、冷静に対応できる人は少ないでしょう。警察官の指示に従って警察署へ行き、そのまま自分に不利な供述調書に署名や押印をしてしまうと、後で取り返しのつかない事態になりかねません。 どうしても自分が不利な立場に立たされていると感じた場合や、警察の取り調べが過剰に感じられる場合は、できる限り早く近くの弁護士に相談することが重要です。

弁護士は法律の専門家として、あなたの権利を守り、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。 須賀法律事務所では、お客様にご来所いただくことなく、受任契約まで進める体制を整えています。ご相談はオンラインチャットツールやお電話を通じて行い、受任契約は電子署名や郵送で完結できるため、相談から契約までがスムーズです。

相談後すぐに弁護士が動くことができ、結果として問題解決までのスピードが速くなります。任意同行を求められ、お困りの際には須賀法律事務所に一度ご相談ください。

任意同行が不安なときに弁護士に依頼する4つのメリットとは?

任意同行を求められる状況に直面したとき、多くの人が不安や疑念を感じることでしょう。特に、法律の専門知識がない場合、その場でどのように行動すべきか、どのような対応が必要かを判断するのは難しいものです。 そのような時に頼りになるのが弁護士です。

弁護士に依頼することで、あなたの権利を守り、適切な対応を取ることができます。ここでは、任意同行の際に弁護士に依頼する4つのメリットをご紹介します。

① 任意同行の理由や捜査方針を確認できる

任意同行を求められた場合、弁護士に依頼することで、捜査機関からその理由や捜査方針を直接確認してもらうことができます。 弁護士は法的な専門知識を有しており、あなたが置かれている状況や捜査の進行状況を正確に理解し、必要な情報を的確に提供してくれます。

これにより、捜査の目的や進展が明確になり、あなたが今後どう対応すべきかを冷静に判断できるようになります。どんな状況なのか理解しやすくなるため、不安の軽減にもつながります。

② 任意同行に弁護士も一緒に行くことができる

弁護士は、法律的に任意同行に付き添うことが可能です。法律の専門家である弁護士が同行すれば、心理的に落ち着いて捜査に臨むことができるでしょう。 任意同行の場面で一人で対応することはストレスや不安が伴いますが、弁護士がいれば、その場で法律的なサポートを受けられます。

さらに、弁護士は取り調べ中に不当な扱いや誤解が生じた場合、すぐに介入し、適切な対応をとることが可能です。弁護士も一緒に同行し捜査の進行を見守ることで、不当な取扱いを防ぐことができるのです。

③ 取り調べの前に念入りな打ち合わせができる

取り調べを受ける前に弁護士と十分に打ち合わせをすることが可能です。 弁護士に依頼していれば、黙秘権や供述調書に対する署名押印拒否権についての解説など、不利益を被らないようなサポートを受けることが可能です。

どのように対応すべきか、具体的な戦略を練り、事前に準備を整えておくことで、取り調べ中に冷静に対応できる自信が持てるでしょう。

④ 逮捕を回避できる可能性が上がる

弁護士が介入することで、逮捕を回避する可能性が高まります。 弁護士は、逃亡の恐れがないことや逮捕の必要性がないことを捜査機関に対して証明し、必要であれば誓約書を提出して、逮捕を避けるための手続きを行うことができます。 弁護士の存在は、捜査機関に対しても一つの抑止力となります。

あなたの権利が守られやすくなり、精神的な負担も軽減できるはずです。

任意同行を求められる不安がある方は須賀法律事務所へ

この記事では、任意同行に関する基本的な知識と、適切な対応方法を身につけるための情報をお伝えしました。任意同行は、強制力を伴わない捜査手段であり、基本的には拒否することが可能です。

ただし、単に拒否するだけではなく、どのように対応するかを慎重に考え対応することが非常に重要です。 任意同行を求められた際は、早期に弁護士に相談することが有効です。あなたの権利を守りながら捜査に対する適切な対応をサポートする弁護士がいれば、安心して任意同行に臨めるでしょう。

須賀法律事務所は、真に必要なリーガルサービスを提供することをモットーに、迅速で丁寧な対応を行っています。初回のご相談から契約、依頼後のやりとりまで、オンラインでの対応が可能で、事務所に足を運ぶことなく、お忙しい方でも気軽に相談できる体制を整えております。

任意同行を求められることで不安がある方は、ぜひ須賀法律事務所へご相談ください。あなたの権利を守り、最適なサポートをさせていただきます。

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