2025/02/23 コラム
盗撮の証拠を消したらどうなる?リスクや警察のデータ復元能力を解説します!
「盗撮が発覚しそうになったので、慌ててデータを削除した」
盗撮の証拠を消せば罪を逃れられると考える人もいますが、結果的には「データを消した」ということが事実として残ってしまい悪質性が高いと判断されるので逆効果になるケースが多いです。また復元には時間がかかるため勾留期間が長くなってしまうリスクもあります。
【証拠を消しても復元される】
盗撮の証拠を削除すると、以下のようなリスクが生じます。
・データを削除しても証拠として残る可能性があります。
盗撮データを削除したとしても、スマートフォンやパソコンの内部に痕跡が残ることが多く、完全に消去するのは困難です。特にクラウドにバックアップがある場合や、転送履歴が残っていると、データが復元される可能性が高くなります。
・捜査が厳しくなる
証拠が消えていると、警察はさらに詳しく捜査を行います。スマートフォンやPCの押収、クラウドデータの調査、通信履歴の解析などが行われる可能性があり、結果的に捜査の範囲が広がるリスクがあります。また、「証拠を隠そうとした」という心証が悪化する恐れがあります。
【警察はどの程度データを復元できるのか?】
「データを削除すれば証拠は消える」と考えるのは危険です。警察は以下の方法などでデータを復元することが可能です。
・デジタル・フォレンジック調査
専門の解析ツールを使い、削除された画像・動画データを復元します。端末のストレージに痕跡が残っている限り、高確率で復元されます。
・クラウドやバックアップの調査
GoogleフォトやiCloudなどのクラウドにバックアップが残っている場合、警察はこれらのデータも調査対象とします。
・通信履歴の解析
盗撮データを他人に送信した場合、サーバー上のログや通信履歴を解析することで、削除後もデータの存在が明らかになることがあります。
またスマートフォンやデジタルカメラに残った画像・動画データの他にも盗撮事件の証拠はあります。
・物的証拠
盗撮に使用されたカメラを隠すための物品
現場に残された遺留品(落とした所持品など)
・証言・映像証拠
被害者の供述
目撃者の証言
防犯カメラの映像
電車内や施設の監視カメラ映像
まったく証拠がない場合(被害者や目撃者の証言もなく、物的証拠も存在しない場合)は、逮捕には至らないのが一般的です。ただし、盗撮の疑いがある場合は、警察による捜査が行われる可能性があります。
このように物的証拠や証言などの証拠が複数存在するため、単にデータを削除するだけでは証拠隠滅にはなりません。むしろ、そのような行為は状況を悪化させる可能性があります。
【まとめ】
盗撮の証拠を消すことは、罪を軽くするどころか、警察によってデータを復元されることで、かえって不利になる可能性が高い行為です。データ削除が状況を悪化させることもあるため、適切な対処が求められます。
万が一、盗撮の疑いをかけられた場合は、まず弁護士に相談することが重要です。早い段階で適切な対応を取ることで、最善の結果を目指すことができます。
「盗撮の疑いをかけられた」「証拠を消してしまったが、どうすればいいのかわからない」とお悩みの方は、お電話またはLINEにてお問い合わせください。